4月

気がついたら入学式から半月が経っていた。毎日ちょっと早く起きて授業を受けて帰ってくる生活に特に感想はない。中高一貫なので高校になっても大して学校生活に変わりはない。教室にも知っている顔が多く、自分の周りにはすでにコミュニティが出来上がっている。その点、高校から入ってきた生徒がとても不憫に思える。すでに構築されている人間関係に割って入るのはなかなか難しいし、またそういう環境に身を置くことには筆舌に尽くしがたい不快感というか、気持ち悪さがある。いずれ中学からそのまま上がった生徒と高校から入ってきた生徒の間に存在する今のような不穏な緊張感は消えるだろう。でもその二つのグループの間に存在する見えない壁は卒業するまで消えないと考えると、高校からわざわざこんな学校に入る必要はなかったのではないかと思う。

友達は皆学校の悪口を言う。でも僕は学校に対する感情がほぼ「無」に近いので、大して悪口なんて出てこない。やれ男子校だから何だ、校則が厳しいのが何だというようなこと今更言ってもどうにもならないだろと思う。受験前に色々リサーチをして、どういう学校かということをちゃんと把握した上で入学したのだからそのくらい我慢しろ、というかそもそも学校に何の期待をしていたんだという気持ちになる。みんな往生際が悪すぎる。お前らにはカッコつける相手の女子がいないのだから必然的にチャラチャラ髪を伸ばす必要もないし、伸ばしたところで顔がカッコよくなることはない。諦めろ。色々な学校がある中でこの学校を受験することに決めたのは自分自身なのだから、そんな学校を選んでしまった自分がダサいのであって、悪いのは学校ではない。いや、学校も悪いかもしれない。

話は変わるが、熊本で地震があった。熊本は自分が10年間住んだ場所で、旧友が沢山いるので心配だ。でもなぜか自分の友達は絶対に死んでないだろうという気持ちがあって、余震が何回あってもその気持ちだけは揺るがなかったので、多分みんな生きてるんだと思う。でも死んでたらイヤだ。でも思っていたより事態は重大らしい。ニュースでは毎日ボロボロの熊本城が写っている。熊本城にも昔は何回も行った。いつも熊本のシンボルとして悠然と佇む様を見ていた自分からしては、今ニュースで流れる熊本城の姿はなかなかショッキングだ。映画で主人公がピンチになっているシーンを見ている時と同じような気持ちになる。僕はああいうシーンがどうも苦手だ。それは映画なので、主人公はどうせここから立ち直るのが目に見えているのだが、だからこそ主人公がピンチになったりすると何か一種の悔しさのようなものを感じてしまう。これと同じようなことで主人公が辱められたりするシーンも苦手だ。ただこれにはそんなに深い理由はなくただ自分まで恥ずかしくなってしまうのが嫌だからだ。もしかしたら自分は必要以上に登場人物への感情移入をしてしまう質なのかもしれない。 

話が逸れてしまったが、この地震による災害は映画ではないので、ここから立ち直るのは簡単なことではないだろう。またいつか立派な熊本城の姿を見たい。ここまで書いて一つ思い出したことがある。熊本城には「ひごまるくん」という公式マスコットキャラクターがいる。熊本城はやはり熊本のシンボルなので県内でのひごまるくんの知名度はなかなか高かった(と思う)が、県外では本当に知名度がない。完全にクマモンに食われている。別に自分は特別ひごまるくんのファンでもなんでもないのだが、何だか悲しい気持ちがある。これからは、クマモンと力を合わせ、熊本の復興に一役買ってほしい。僕もできることからやりたいと思う。終わり。

f:id:sawarah:20160418221150j:plain